腸は身体を健康に保つために不可欠な様々な機能を持っているのです。ほとんどの方が食べたものは胃で消化されると思っているでしょうが、実は腸でもかなりの割合で消化されています。この消化の際に胃と腸は、炭水化物をブドウ糖に、たんぱく質をアミノ酸に、脂肪を脂肪酸に小さく分解しています。
そして分解した栄養分を吸収するのも腸の働きによるものなのです。また、腸には消化・吸収・排泄以外にも重要な役割を果たしてくれています。
腸は、毎日の食べ物や飲み物などから栄養を吸収してくれる大切な場所です。吸収された栄養は、その人の血液の質や体質を決定するようになります。
つまり、腸は人の生命維持に関わる最も大切な器官なのです。
また、腸は体の内側にある器官でありながら、外界と直接接しているという特徴があります。というのも、腸は体に必要な栄養素だけを吸収し、細菌やウイルスなどの害のあるものは排除するという体を守る役割も果たさなくてはならないからです。
人の腸の中には、約500種類、100兆個の細菌が住み着いているといわれています。その細菌は「腸内細菌」といわれており、腸内細菌の種類は、乳酸菌を代表とする善玉菌と有害菌である悪玉菌に大きく分けられます。
健康な人の腸内環境は、善玉菌と悪玉菌がそれぞれうまく保たれています。
小腸から大腸にかけては、これらの腸内細菌がびっしり存在し、まるで草むら(フローラ)のようであることから、腸内フローラとも呼ばれています。
腸内フローラのなかの細菌は、さまざまな働きで、人の健康に多大な影響を与えているのです。